ユニクロUSAの旗艦店ニューヨークソーホーのお店のオープニングレセプションに、象徴的な和のモニュメントをいけてきました。

作品はずばり「PRAYER」の2006年版です。
もともと「PRAYER」2002.1は前年の9月11日ニューヨーク同時多発テロへの驚きと想いから制作したものでした。
通常の正月花は、松や金柳と千両・南天などを用いて華やいだ雰囲気を表すものです。それが、行事としての正月というものです。たぶん展示場所のカラヤン広場を貸してくださった森ビルも、この企画の主催の京都館さんもいつも通りの華やかなお正月というものを期待していたのだと思います。
けれども、この年の正月はいつもとは違いました。私も表現者として、何かしなくてはと思いつづけていました。そして生まれたのがいけばなの魂を持つオブジェ「PRAYER」です。製材された檜材が手を合わせるように向かい合い、あたかも植物の命がまっすぐに伸びたつ姿をしています。その真意は「ただ、自分がまっすぐに生きる」です。その高さは4.9m、このサイズを生の植物を使って通常のいけばなとしていけたら、いけばなが訴えるべき命の尊さなどなんのその、根を切られて死に向かうだけの巨大な亡き骸を見せることになったでしょう。大きいサイズのいけばなはそこのところを考えなくてはいけません。
私にとっても「PRAYER」は考えさせられる作品となりました。
そして、今度はニューヨークで。
そこで私はひそかにこのユニクロNYモニュメントを「PRAYER」をNYに返すプロジェクトとしました。新作ではないの?それでも私には意味のあることと思いました。いうなればイシワタ・クラシックです。

当然すべては現地調達です。2002年以来使っている1.8m直径の水盤も使えません。同じものを作ったとは思っていませんし、スタッフも違います。実にたくさんの新しい人々の協力によって出来上がっています。材質は当然のようにアメリカの松材になり、これがまた大変な困難をもたらしてくれましたが、そのエピソードは携わった人間だけの楽しみとしておきましょう。
レセプション会場には他に3台のYAGURAという作品も作りました。やはり白木の初々しさと伊吹の烈しさを対比させた作品です。日本の潔さを表現しています。
最後に、池坊専永宗匠に感謝します。池坊NYシティ支部に話して、協力をうながしてくださいました。すべてのマネジメントをしてくださったNYシティ支部・野田氏。彼がいなければ成功しなかったと思います。
そして生徒たち、よくNYまでついてきてくれ、当日のすべてをありがとう。
<BACK< >NEXT>